猫がごはんを食べたあと、トイレでもないのに床や地面をカリカリとかく仕草を見たことはありませんか?
まるで「埋めようとしている」ようにも見えるこの行動。
実はこれは、猫特有の本能的な行動であり、単なる遊びや癖ではありません。
「食べたあとに足でかく」には、猫の
- 安心
- 防衛
- 縄張り意識
など、いくつもの理由が隠されているのです。
この記事では、猫が食後に足でかく理由を、本能・心理・環境の3つの視点から詳しく解説します。
猫が食後に足でかく理由①:食べ物を隠そうとする本能
野生時代の「食料を守る行動」
猫がごはんを食べたあと、床をかくような仕草をするのは、
野生の本能として**「食べ残しを隠す」**行動です。
野生の猫は、食べ残した獲物をそのまま放置すると、
・他の動物に奪われる
・敵に居場所を知られる
といったリスクがありました。
そのため、食べ終わった後に砂や土をかけて**「匂いを消す」**という習性を持っています。
この行動が、家猫にもそのまま残っているのです。
実際には家の中に土はありませんが、床や食器の周りをカリカリするのは「埋めるつもり」なのです。
猫が食後に足でかく理由②:自分の匂いを隠す防衛本能
捕食者から身を守るための匂い消し
猫は嗅覚がとても鋭く、自分や他の動物の匂いに敏感です。
野生時代、食べたあとの匂いは捕食者に狙われる危険信号でした。
そこで猫は、食事後に砂をかくような仕草で「自分の匂いを消そう」とします。
これは、敵に自分の存在を悟られないようにする防衛本能です。
家の中では安全でも、本能は簡単には消えません。
安心しているように見えても、体は“野生の警戒モード”を覚えているのです。
猫が食後に足でかく理由③:気に入らないごはんを隠そうとする
「これは食べたくないにゃ…」という意思表示
猫がごはんを食べずに、すぐに足でカリカリと床をかく場合は、
**「このごはんは気に入らない」**という意思表示のこともあります。
猫にとって“かく”動作は、
・不要なものを隠す
・関わりたくないものを遠ざける
という意味もあります。
つまり、「これはもういらない」「臭いを消しておこう」という気持ちから、
あたかもトイレの砂をかくような動作を見せるのです。
特に新しいフードを与えた時や、匂いの強いウェットフードの後に多く見られる傾向です。
猫が食後に足でかく理由④:縄張り意識とマーキングの一種
「ここは私の場所だよ」というアピール
猫の足の裏には「臭腺(しゅうせん)」と呼ばれる匂いを出す器官があります。
床や食器の周りをカリカリとこすることで、**自分の匂いを残す(マーキング)**行動をしている可能性もあります。
特に多頭飼いの家庭では、この行動がよく見られます。
「このごはんは私のもの」「ここは私のテリトリー」というアピールです。
一見、食べ物を隠しているようで、実は自己主張のサインでもあるのです。
猫が食後に足でかく理由⑤:トイレの動作と混同している
子猫や若い猫によく見られる“勘違い行動”
子猫やまだトイレの習慣が安定していない猫は、
「砂をかく=安心できる行動」として覚えています。
そのため、食後にリラックスした状態でトイレ動作と混同してしまうことがあります。
特に食事とトイレの場所が近い場合、勘違いしやすい傾向があります。
これは成長するにつれて自然に減るので、心配する必要はありません。
猫が食後に足でかく理由⑥:食後のストレス解消やルーティン
食べ終わった後の“落ち着く動作”
一部の猫は、食事後の「足でかく」行動を、
気分を落ち着かせるためのルーティンとして行っています。
猫にとって“掘る・かく”という動作は、
ストレスを和らげるリズム運動でもあります。
お腹がいっぱいになり、満足感と少しの緊張が入り混じった時、
「落ち着こう」として足で床をかく──まさに猫なりのリラックス法なのです。
猫が食後に足でかく時の注意点
行動が過剰な場合はチェック!
通常、この行動は本能的なものなので心配いりません。
ただし、以下のような場合は少し注意が必要です👇
- 食後に必ず激しく床をかく
- 食器をひっくり返そうとする
- 食べたあとすぐに嘔吐する
- 食事中に落ち着きがない
こうした場合、食器やフードの匂い・味・配置が猫に合っていない可能性があります。
食器を陶器製に変えたり、食事場所を静かな所に移すだけで落ち着くケースも多いです。
まとめ:猫の「食後に足でかく」は本能と気持ちの表れ
猫が食事後に足で床をかくのは、
・食べ残しを隠す本能
・匂いを消す防衛反応
・気に入らないごはんの拒否
・縄張りの主張
・落ち着くための習慣
など、いくつもの理由が組み合わさった行動です。
野生の名残であるこの仕草は、猫が健康で本能的に生きている証拠でもあります。
無理にやめさせる必要はなく、「うちの子は今こう思ってるんだな」と受け止めてあげましょう。
愛猫の小さな行動を理解することで、
あなたとの絆はさらに深まり、毎日の生活がもっと楽しくなるはずです。
それは下記の理由です



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